お施主様からの要望は「圧倒的な空間に住まう」ということ 1 点のみ。吹き抜け空間や天井高 4.5 ｍの開放的なＬＤ空間に、建築照明とペンダント照明をいかに融合させるかという観点で器具を選定しています。
リビングには、インテリアデザインの作り込みを邪魔しない、かといって控え目に見えてもつまらないという考えから、ルイスポールセンの華やかな Artichoke と ELLISE の洗練された 2 灯ペンダントが絶妙のコントラストを描くように配置しました。ダークグレーをベースに作り込んだ直線的な格子を配置した玄関ホールでは、MELT の独創的な歪みを組み合わせることで、空間全体がアート作品となるような演出をしています。杉材の格子や工芸品の組子が配置された和室には、ミッドセンチェリーの代表作ともいえる Herman Miller の NELSON BUBBLE LAMP を選び、その幻想的な光を照らし出すスタイルが日本古来からある提灯のような役割を担い、あたたかで美しい彩りを添えてくれました。いずれも個性的な照明が空間を照らすだけでなく、アクセサリーとしてそれぞれの空間に馴染み、高い美意識を保つための普遍的なアイコンとして、ゆとりある空間へのメッセージとなっています。