Case Story

事例紹介

世界救世教 岡田茂吉記念館

Mokichi Okada Memorial Museum

屋内と屋外を繋ぐシームレスな光は、天井全体に浮遊感を生み出す

Facility Information

所在地
京都府京都市
主要用途
記念館(宗教施設)
設計
株式会社 日本設計
照明計画
アカリ・アンド・デザイン
吉野 弘恵
竣工
2014年
掲載PDF
YAMAGIWA NEWS 16

Outline

概要

敷地は、古からの自然風景が残る嵯峨広沢池南東に位置し、周辺には大きな枝垂れ桜が何本もあり、多くの観光客が訪れる場所です。 この記念館から、歴史的風土保存地区内にある広沢池への眺望は素晴らしく、京都市内とは思えない雄大な時の流れを感じさせてくれます。
その素晴らしい眺望を活かし、周辺風景と静かに調和していく建築が望まれました。一年を通して、一般公開されている記念館には、嵯峨野を散策する多くの人々が訪れ、その調和の中で自然美を再発見しています。宗教家かつ美術家である岡田茂吉師が残された言葉や思想を基に建築化しています。建築の構造的特長は、合掌折板と名づけた超軽量かつ高剛性の今までにない屋根です。この屋根は、高断熱性能、高遮音性能を保ちながら、自然と光の調和、伝統性と革新性の融合、光と自然の移ろいを表現しています。和の中にも洋を感じ、現代建築の中に伝統性を感じる建築がふさわしいと考えています。 (文 一部抜粋:株式会社 日本設計 松尾 和生)

写真撮影  : 稲住写真工房

建築的特徴となっている天井形状は、軒先まで続いて伸びています。この鉄板による特異な屋根構造は、独特な天井形状を作り、その素材が生み出す陰影は浮遊感を持つ光の交錯を創り出しています。1Fの外部通路バルコニー下部にも、サッシュの無目の型材部分に小さなLEDを仕込む事により、軒天井の柔らかな陰影が浮かび上がり、柔らかな光と屋根の特異な陰影は象徴的な光を生み出しています。また、この照明は屋外だけでなく、室内にも光が入るように計画されており、屋内と屋外を繋ぐシームレスな光は、天井全体に浮遊感を生み出します。2Fの屋根については、棟部分で交差する隙間にもLEDが仕込まれています。この棟の合掌部分には、短いLEDライン照明をシームレスに配し、スリット部分のみが浮び上がります。その光は庇側の光の山谷が反転する光となり、光が重なるような錯覚を引き起こし、非日常な光の空間を演出しています。

外構の照明は、水盤に水中照明を設置する事で風や雨、雪などによって光の揺らぎが建築や樹木に移りこみ情緒的な空間を作り上げています。

この写真に使用されている商品
間接照明
特注階段手摺アッパー照明

水中照明 J-221改

庭園灯 BEGA H4202B改

フラッドライト T4029B改

屋外階段と夜景

展望棟と水盤:夜景

渡り廊下と山桜の幹:夜景

展望棟正面:夜景

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